プンタレッレのサラダ

イタリアの冬野菜は、本当にバラエティに富んでいて、見つけると嬉しくなります。

昨冬のプーリア地方旅行で、その魅力を再認識したチコリア・カタルーニャ。大きくてモッサリとした姿は、日本の高菜を思い出させます。

その外葉を剥いていくと、愛嬌のある新芽が顔を出し、これが季節限定!大人のご馳走なのです。

なぜ大人?
上品ながら、容赦のない苦味があるから。

とびっきりフレッシュなものは、そのまま手掴みでポリポリ齧る…という食べ方もできますが、それは現地に行かないと叶いません。

ルクセンブルクまで輸送され店頭に並ぶ間に、アクが強くなっていますので、生で食べるなら水に晒してから。

フキノトウの天ぷらのようにフリットにする調理法も、冬の南イタリア料理の定番。

もっともプーリアでは、フリットにするよりも、クタクタに煮込んで空豆のピュレと共に食する食べ方が一般的で、郷土料理化していますが。

なんと言っても有名なのは、ローマ地方に根付いた食べ方。アンチョビのドレッシングでいただくサラダです。

ローマでは、カタルーニャの新芽部分をプンタレッレと呼び、プンタレッレのローマ風サラダ=インサラータ・ディ・プンタレッレ・ アラ・ロマーニャといえば、ほぼ間違いなくアンチョビソースなのです。

と、長々とお話して来ましたが、今日のこのお皿は、そのいずれでもなく…

アンチョビの気分ではなかったので、水に晒したプンタレッレを、とっておきのオリーブオイルで和え、ドライトマトと松の実、レーズンをあしらいました。

ぽりっぽりっと歯ごたえが良く、迸る苦みが実に爽快です。
これぞまさに、季節限定「大人の贅沢」というもの。

料理サロン Ku-La Kamakura

長谷観音さんにほど近い、不定期開催の料理教室 ロンドンに5年、ルクセンブルクに3年と、かれこれ8年間のヨーロッパ暮らし。現地で得た食材やワイン、料理に関する知識と体験を交え、心を豊かにする美味しい情報をシェアしたいと思います。

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