おうち呑みの酒肴

当時お酒を嗜まなかった母が、晩酌を欠かさない父の為に、せっせと拵えていた酒肴のひとつ、いかの塩辛。

見よう見まねで私も作るようになり、その後の食経験や夫の好みなどによって、いつの間にか私流の塩辛に。

ヨーロッパに流通する数種のイカは、甲イカの他は日本のものと大きく身質が異なって、長いあいだ塩辛作りから遠ざかっていたのです。

毎夜毎夜、お家で呑むことになる昨今ですから、久しぶりに日本酒に"堪らなく"合う肴を作ろうじゃないですか!

ということで、まずまずのスルメイカに出会えた日、塩をして1晩脱水したワタを切ったイカの身に和えた直後の様子が2枚目の写真です。

それから6日間冷蔵庫で見守って熟成を確認すると、尖った塩味はまるくなり、肝の旨味がねっとりと身にまとわりついています。上出来!

半量には柚子皮を、半量には山葵を刻み入れ、アクセントをプラスして完成です。

肝ダレの粘質がムッチリした食感のイカを包み、噛み締めればまさに至福。
ふわ〜っと香る柚子香は、お味を優しく広げる感じ。他方、刻み山葵はねっとり感をキュッと引締め、お味のキレをよくする感じ。
どちらも美味しくできました。

これはもう、お酒が進んでしまうこと間違いなしです🍶

思えば食欲旺盛な20〜30代の頃、一度に3杯のイカを捌いてたっぷりと仕込んでも、熟成を待たずに食べ切ってしまったものでした。
ツルツルッといけてしまう極細切りにして。

あれは、"いかの塩辛"というより、"いかの肝和え"だったのだわ🤭

夫は、そんな若い頃に作っていた"いかの肝和え"タイプの方が好みだそう。
極細でしなやかなテクスチャーのイカが、あっさりした肝ダレに泳ぐ感じの軽やかさが良いと。

私としては、今回のような熟成濃厚タイプをよくよく噛み締め味わいながらゆっくりいただくのが好き。そのためにも、太目タイプに軍配が上がると思うのですが。

さぁ、次回はどうしましょう。
イカを2杯買って、両タイプを作ることにしましょうか。

そうそう…
文頭に「当時お酒を嗜まなかった母」と書きましたが、私がお酒を飲む年齢になってから母にも勧めるものですから、次第に鍛えられ飲めるようになりましたよ!

料理サロン Ku-La Kamakura

長谷観音さんにほど近い、不定期開催の料理教室 ロンドンに5年、ルクセンブルクに3年と、かれこれ8年間のヨーロッパ暮らし。現地で得た食材やワイン、料理に関する知識と体験を交え、心を豊かにする美味しい情報をシェアしたいと思います。

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